2008年6月16日(月)20:52

メルケル首相とトゥスク首相:「リスボン条約批准を継続すべき」

グダニスク(AFP)

ドイツのアンゲラ・メルケル首相(キリスト教民主同盟CDU)とポーランドのドナルド・トゥスク首相は、アイルランドの批准否決にもかかわらず、EU改革リスボン条約の批准を継続するよう主張した。「私たちはEUの拡大が図れるよう、このリスボン条約が必要なのだ」とメルケル首相は短期訪問先のグダニスクで語った。トゥスク首相は、拡大はほかならぬバルカン半島の安定にとって「特別の重要性」を持つ。「批准手続きはまだ完了していない国々で継続されねばならない」、と語った。

「私たちは(…)EUがこの状況の打開策を見出し、私たちが批准の危機を克服できるものと確信している」とトゥスク首相は出身地のグダニスクでメルケル首相との会談を終えて語った。トゥスク首相はこれより前プラハで、チェコ、ハンガリー、スロヴァキアの各国首相とEU危機に関する協議を行っている。これまで27ヶ国中18ヶ国が批准を終えている。

もしアイルランドの否決を受けて二つの統合速度のEUが生まれれば、ポーランドとドイツは別々のグループに所属するのではないかという問いに対して、メルケル首相は、「私はドイツが所属しポーランドが所属しないグループなどはまったく想定できない」と答えた。トゥスク首相は原則的に二つの速度のEUには反対であると語った。

メルケル首相とトゥスク首相の会談は当初、両国関係の改善のために設定されていた。メルケル首相は、この分野でも多くの進展があったと強調した。たとえばメルケル首相は、ウクライナ、グルジア、モルドバ、アゼルバイジャン、アルメニア、ベラルーシが民主化を果たした場合、EUとの緊密な結びつきを図るというポーランドとスウェーデンの共同提案を全面的に支持するとトゥスク首相に約束した。この提案は木曜日にブリュッセルで開かれるEU首脳会議で討議される予定である。

メルケル首相は、ベルリンに設立が計画されている故郷放逐記念センターの人事問題をめぐる論争についてはコメントを避けた。ポーランドは依然、故郷放逐者同盟のエーリカ・シュタインバッハ議長の理事就任を拒否している。バイエルンのギュンター・ベックシュタイン州首相(キリスト教社会同盟CSU)はメルケル首相に、ポーランド訪問ではシュタインバッハ議長の理事就任を働きかけるよう求めていた。「エーリカ・シュタインバッハ議長の指導的関与や協力のないベルリンの反故郷放逐センターなどはありえないし、あってはならない」とベックシュタイン州首相は主張している。

原題:Merkel und Tusk: EU-Reformvertrag weiter ratifizieren




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